秋田腎不全研究会会長の羽渕友則です。ホームページ開設にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本研究会は、『秋田の腎不全診療をよくするために私たちができること』をテーマとして掲げさせていただきました。腎不全診療に限ったことではありませんが、医療は未だ完全には程遠いものがあります。しかし、その時代の理想の医療があるはずで、私ども医療人は理想の医療を求め、患者さんへベストの医療を提供したい、との想いがありますが、必ずしも患者さんにとっての理想の医療や希望は同じではありません。腎不全診療においても患者さんの理想や希望と医療提供者や社会の理想のギャップを詰める作業は、日常診療のレベルから制度設計のレベルまで、様々な局面で困難を伴い、平行線をたどる可能性もあります。
腎不全診療は予防、早期発見と治療、血液浄化療法と腎移植の成績向上など、多方面の課題がありますが、どの分野においても高齢化の問題がますます深く関わってくることは間違いありません。秋田県は65歳以上が占める高齢化率は平成24年ですでに30.7%で日本一です。2040年には高齢化率は43.8%になり、依然、日本一であろうと予想されています。その意味では秋田県は世界の最先端を進む医療圏であります。従いまして、この地域で理想の腎不全診療を進めることは、日本のみならず世界レベルでお手本を示すことができる可能性があります。ぜひとも秋田県が、「高齢化社会における腎不全診療のロールモデル」となるべく、本研究会がアシストできれば幸いです。関係各位の皆様、よろしくお願いいたします。